琴と太鼓の演奏で開幕したテンプル大学米国本校でのTUJ40周年記念イベントは、TUJの過去・現在・未来を考える機会となりました。(撮影=ジョセフ・V・ラボリト)

琴と太鼓の演奏で開幕したテンプル大学米国本校でのTUJ40周年記念イベントは、TUJの過去・現在・未来を考える機会となりました。(撮影=ジョセフ・V・ラボリト)

テンプル大学ジャパンキャンパス(東京都世田谷区/学長:マシュー・ウィルソン、以下TUJ)の創立40周年を記念して、2月にフィラデルフィアの本校のパフォーミングアーツ・センターで式典が開催されました。日本の琴や太鼓の演奏、TUJ学長マシュー・ウィルソンの基調講演が行われ、TUJの卒業生、教職員、関係者が集まり、TUJの豊かな歴史の歩みと繁栄を祝いました。

米国本校が3月8日に掲載した記事を日本語翻訳は以下の通りです。

テンプル大学米国本校にてこのたび、日本校(TUJ)開校40周年記念イベントが大学関係者らを集めて開催されました。TUJのこれまでの歩みと現在地、そして将来について考えるとともに、テンプル大学が進めるグローバル・エンゲージメントにおいてTUJが果たす重要な役割を改めて認識する機会となりました。

テンプル・パフォーミングアーツ・センターのチャペル・オブ・ザ・フォー・チャプレン(the Chapel of the Four Chaplains)にて開かれた記念式典では、集まった学生・教職員らを前にウィルソンTUJ学長が講演。

テンプル大学米国本校のパフォーミングアーツ・センターに集まった聴衆に語りかけるTUJのウィルソン学長。(撮影=ジョセフ・V・ラボリト)
テンプル大学米国本校のパフォーミングアーツ・センターに集まった聴衆に語りかけるTUJのウィルソン学長。(撮影=ジョセフ・V・ラボリト)

「七転び八起き」という日本のことわざを引用し、世界の経済危機、福島の原発事故、そして近年の新型コロナウィルス禍など、幾多の困難を乗り越えてきた日本校の40年間を振り返りました。

TUJの繁栄を支えてきたのは、テンプル大学の教職員および学生たちのたゆまぬ努力と強い意志、そしてまわりからの温かい支援です。日本国内における外国大学の地位を認めるよう粘り強く働きかけた結果、2005年に、文部科学省はTUJを「外国大学の日本校」第一号に指定しました。

2022年秋学期、TUJの学部生数は1,800名を超えました。これは米国の多くのリベラルアーツ大学を凌ぐ規模です。この2年半で学部生数は50%近く増加し、6学期連続で過去最高を更新。コロナ禍による日本の入国制限が緩和されてからは特に、入学希望者が増え続けています。

TUJの学生の出身地は日本と米国がそれぞれ約4割、残りの2割は約70か国と多様であり、新しい奨学金制度を創設してウクライナからの避難者9名も受け入れています。教授陣も同様に多国籍で、その専門知識に基づくコメント等が主要メディアでしばしば引用されています。

1982年の開校当初、TUJは英語圏の大学進学を目指す日本人学生向けの集中英語教育を主な目的としており、その存在感は限定的でした。それが現在では、国際的な影響力を持つ教育機関へと成長。米国本校と同じカリキュラムがすべて英語で提供され、TUJの学生は世界で通用するスキルを身につけることが可能となっています。

TUJ学部生約1,800名には、米国本校および他の米国大学から来日した短期留学生150名(2023年春学期現在)が含まれていますが、彼らを除く長期学生の多くが、国籍に関係なく入学から卒業まで東京を離れることなく大学生活のすべてをTUJで過ごします。

1997年にTUJのロースクールで学んだウィルソン学長はスピーチの中で、「唯一無二の国際的な経験を提供できるTUJは、多くの学生から『選ばれる大学』です。私たちは学生第一の姿勢を貫き、また組織としての卓越性を追求しています。私たちの役割は学生が世界で活躍できるリーダーとなるのを支援すること。日本とフィラデルフィア、そして世界をより良い場所にすることを目指して、私たちは主張し、影響力を発揮していきます」と述べました。

TUJの高い認知度と国際教育への貢献は、様々な要人の目に留まるところとなり、それがTUJをさらに前進させる契機となっています。ここ数年間に萩生田光一文部科学大臣(当時)およびラーム・エマニュエル駐日米国大使のTUJ訪問が実現したほか、TUJの2022年度卒業式では河野太郎デジタル大臣の基調講演など様々な要人を迎えてきました。また、TUJに対して日本の大学から単位互換その他の連携についての働きかけも多く、さらに最近では東京都世田谷区および山梨県と連携・協力に関する協定を正式に締結しています。

TUJの将来は明るいニュースにあふれています。米国大使館の助成を受けてTUJの大学院教育学研究科TESOLプログラムにて日本の小中高校教員を向けの英語研修の実施されているほか、2023年秋からは、テンプル大学の客員教授プログラムの一環として米国本校の教員が最長1年間、TUJのキャンパスで過ごすことになります。このプログラムはテンプル大学の戦略的計画における教育的価値優先事項の一つとして、教員が国境を越えた経験を積み、多様な文化的背景を持つ学生たちと有意義な関係を築き、プロフェッショナルなネットワークを構築する機会を提供するものです。

TUJ創立40周年の祝賀行事は、東京でも様々な形で実施されています。これまでに(ファンドレイジングイベントである)ダイヤモンドディナーをはじめ、映画上映やパネルディスカッション、ダンスや音楽のパフォーマンスに彩られた「スピリット・ウィーク(Spirit Week)」、その他の文化行事を開催。また、東京湾のディナークルーズ同窓会では第1回優秀卒業生賞(Distinguished Alumni Awards)」が発表され、前駐日大使、前大学学長、国際弁護士、そしてファッション、運輸、金融の3業界で活躍するCEO、合計6名のTUJ卒業生への授賞が行われました。

最後に、テンプル大学で20年にわたり様々な役割を歴任し、今回の記念イベントで司会を務めたアデレード・ファーガソン氏のコメントをご紹介します。「40年前、7,000マイルも離れた、なんの縁もゆかりもない土地でキャンパスを開設するなど、なんとも大胆な賭けだったと誰もが思うでしょう。しかし、それが成功であったことは間違いありません。今日の集いはまさにそれを祝賀するためなのですから」