2009年4月24日
武蔵大学、武蔵高等学校中学校と米国フィラデルフィアに本校を置くテンプル大学ジャパンキャンパス(TUJ)は、教育・学術上の連携に関する基本協定を締結しました。協定書の調印式は4月23日、武蔵大学8号館で行われました。
協定の主要な目的は、日本人学生・生徒が国際化時代に対応できる本格的な英語力とアカデミックスキルを身につける教育システムを実現し、他方で外国人学生が英語および日本語で日本について深く広く学ぶ場を創出することです。さらに、三者の教員による共同研究、その成果を社会に還元するための学術講演会・文化的イベントなどの開催、図書館などの相互利用のほか、将来のダブルディグリー制度導入も視野に入れ、大学学部課程における単位互換のための環境整備も検討される予定です。具体的な事業詳細は、今後、三者間でタスクフォース(委員会)を立ち上げて決定していきます。
【今後実施が予定される連携事業】
- 教職員の交流
- 学生・生徒の交流
- 学術的な共同研究
- 連携協力事業のための外部資金の確保
- 施設・設備の相互利用
- その他、共同企画による教育・文化事業
武蔵大学、武蔵高等学校中学校 有馬朗人学園長のコメント
「今回、武蔵大学、武蔵高等学校中学校はテンプル大学日本校(TUJ)と連携のための『基本協定』を締結いたしましたが、私は武蔵側の責任者として、また長らく研究教育と教育行政に携わってきたものとして今回の連携を大変意義深いものと考えております。近年各大学が積極的に取り組んでいる大学間の連携にはさまざまな形がありますが、今回の協定の眼目は(1)日本の大学と文部科学省が『海外大学日本校』として指定した米国大学との間で実施される連携であり、日米の教育システムが多面的、多角的に出会うことで研究、教育の両面にわたって好結果を生む可能性が高いこと、(2)大学間の国際的連携に武蔵高等学校中学校も加わることによって、同校生徒にとって米国をはじめとする海外大学への進学を視野に入れての学習が可能となること、などの点にあります。武蔵とTUJはリベラルアーツ教育を重視し、教育の国際化を指向するなど共通の教育理念を有しており、両者が学生・教職員の往来が可能な地理的位置関係を活用しながら緊密に協力できれば、両者にとって実り多い連携となることを私は確信いたしております。」
〔有馬朗人:物理学者。東京大学学長、文部大臣、科学技術庁長官を歴任。〕
テンプル大学ジャパンキャンパス ブルース・ストロナク学長のコメント
「武蔵大学、武蔵高等学校中学校のような質の高い教育機関とパートナーシップを結ぶ機会を得たことは、テンプルジャパンにとって大変喜ばしく、またタイムリーなことです。国際教育を志向する都市型大学である武蔵大学とテンプルジャパンとは共通する教育哲学を持ち、相互補完的な学術プログラムを運営しています。同時に、歴史も文化も異なる両校が協力することは多様性を生み、本連携のシナジー効果をさらに高めるでしょう。世界でも日本国内でも競争が激化する今日、トップクラスの学術・教育プログラムを開発していくために大学間の連携協力は欠かせません。日米の大学が東京でパートナーシップを組むことは、両国の教育・研究を強化するユニークな機会を提供し、大学間連携のグローバルモデルともなることでしょう。」
〔ブルース・ストロナク:前横浜市立大学学長。タフツ大学フレッチャー大学院・ハーバード大学院国際関係学博士。〕
武蔵大学、武蔵高等学校中学校について
武蔵大学、武蔵高等学校中学校の前身は明治、大正、昭和にわたり、財界で活躍した根津嘉一郎(初代)が1922年(大正11年)に創設した、わが国初の旧制七年制の武蔵高等学校。「人間形成を根幹に、明日の新しい日本を担う、優れた人材を育てる」という壮大な理想を掲げた武蔵は、その後、1949年(昭和24年)の学制改革に際し、経済学部のみの単科大学として武蔵大学を開学、現在では3学部8学科の総合大学と中高6年一貫教育の武蔵高等学校中学校を擁する学園となっている。「自調自考」、「東西文化の融合」、「海外雄飛」を建学の三理想として掲げた旧制武蔵高等学校以来の伝統に基づき、自ら調べ自ら考え、世界と対話しつつ行動することのできる人材の育成を目標として、国際交流にも積極的に取り組んでいる。
本件に関するお問い合わせ
武蔵大学、武蔵高等学校中学校 総務部
TEL: 03-5984-3712
E-mail: gaf@sec.musashi.ac.jp
テンプル大学ジャパンキャンパス 広報部
TEL: 03-5441-9801
E-mail: tujpr@tuj.temple.edu