テンプル大学ジャパンキャンパス(東京都港区/学長ブルース・ストロナク/TUJ)が学校法人根津育英会武蔵学園とともに企画開発を進める「武蔵・テンプルREDプログラム」(以下RED)は、昨年度のパイロット版に続き、8月1日(金)~30日(土)、初の本科サマープログラムを実施しました。最終日には、この夏季集中講座の総まとめとして、全参加生徒33名の英語による最終プレゼンテーションと修了式が行われました。
REDは、英語圏の大学に進学を目指す中学生・高校生を対象とした、ただ英語を習得するだけでなく「英語で」科学を学ぶことを通して、国際リベラルアーツ教育を基幹とした理論的思考力を身につけるためのプログラムです。「科学」を題材として、Research(調べる)、Essay writing(書く)、Debate(話し合う)のトレーニングを英語で行い、グローバル社会に通用するクリティカル・シンキング(独自で考え分析する能力)やコミュニケーション能力を磨くものです。
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最終プレゼンテーションでは、ジュニアプログラム(中学1年)18名、シニアプログラム(中学3年)15名がそれぞれグループに分かれ、参加者必携のiPadを駆使して、スクリーンいっぱいの画像と堂々とした英語による発表を行い、会場に集まった保護者やジャーナリスト、関係者から大きな拍手が送られました。ジュニアプログラムではフィールドワークなどを中心に、また、シニアプログラムでは東工大教授による大学レベルの講義をもとに、建築、物理、生物、化学などの実験も交え学んだ全20日間の成果をそれぞれ披露しました。
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シニアプログラム参加者の一人、山﨑美帆さん(大妻女子中3年)は、参加の感想を「難しかった」、としつつも、修了式後に達成感あふれるさわやかな笑顔で答えてくれました。参加の理由を美帆さんの父・幸雄さんは、「(大妻女子中高・井上美沙子校長)先生から、『従来型でないプログラムで英語を使って科学やプレゼンテーション能力を磨き、総合的な力をアップする』とのお薦めがあったから」と語ってくださいました。「プログラム期間中、普段より自分で進んでなんでも積極的にやるようになった。定期テスト前以外で自ら部屋で勉強するなんてびっくり!」と、美帆さんのやる気スイッチが入ったことを喜んでおられました。井上校長からも、「お母様より、美帆さんの目の輝きが変わったと聞いております。学ぶ意味を見出したのではないでしょうか」と、驚きの声をいただきました。「自分で目標をもって好きな道を進んでほしい」との温かい家族からの激励のもと、美帆さんはサマーに引き続き9月に始まったREDのイブニングプログラムで平日夜間週3日、RED九段教室にて未来のグローバル“リケジョ”を目指し邁進中です。
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本プログラムでは、TUJのブリッジ・プログラムで教鞭をとるショーン・ヒギンズがシニアプログラムのリードインストラクターを勤め、そのほかに、ジュニア・シニア各プログラムでインストラクター1名(博士課程所属)、リードコーチ1名(修士号保持者)、TUJ学部課程在学中の留学生2名がコーチとして指導にあたりました。
「プログラム開始後、すぐに生徒たちの力量を過小評価していたことに気づかされました。iPadを自在に操る彼らの素晴らしいプレゼンテーションに驚かされ、生徒たちから逆に学ぶことが多かったです。1日6時間、20日間のプログラムは実際通常の大学の授業以上の集中講座です。これを経験した生徒たちの自信や、何度も繰り返し失敗を克服しながら学ぶことの意味は、彼らにはかけがえのない財産になるでしょう。高2~3では自分のスタイルが既に確立されてしまっていて遅すぎるので、中1、中3から始めるこのプログラムは、生徒たちが新たな学びのスタイルに順応するには最適です。両プログラムとも、リードインストラクターとコーチが協力し、様々な課目、教授、スタイルに合わせ “チーム”として柔軟に行動しました。生徒たちにとって非常にいい学びの環境づくりができたことは、大変うれしく思います。」と、ヒギンズはコメントを残しております。
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武蔵大学、武蔵高等学校中学校とTUJは、今年5年目を迎えた「教育・学術上の連携に関する基本協定」に基づき、武蔵大学との単位互換プログラムをはじめ、図書館等の相互利用など交流事業を展開しています。TUJは、RED以外にも武蔵大学、武蔵高等学校・中学校向けの夏期英語研修プログラムを2010年より提供しています。
TUJは今後も、米国大学日本校のパイオニアとして、こうした日本や他のアジア地域の教育機関との連携を深め、日本社会、ひいてはアジア全体のグローバル化への貢献を拡大していきます。