テンプル大学ジャパンキャンパス(東京都港区/学長:ブルース・ストロナク、以下TUJ)は、2018年秋学期より、性暴力撲滅を呼びかける啓蒙活動「It’s On Us」キャンペーンを学内で開始しました。米国ペンシルベニア州にあるテンプル大学本校は、州政府より「It’s On Us PA」助成対象として約2万5千米ドルの交付を受け、2018年4月から今年度キャンペーンを実施しています。TUJにおける今回のキャンペーンもその一環として行われているものです。
「It’s On Us」キャンペーンは、オバマ前大統領の提唱により2014年から米国全土で始まりました。大学のキャンパスにおける性暴力への問題意識を高め、誰もが傍観者とならず自らが行動することによって変化をもたらそうと呼びかける運動です。「It’s On Us」キャンペーンは全米500以上の教育機関で実施されており、テンプル大学本校では2017年から実施されています。TUJでは2018年秋学期より、新入生オリエンテーションでチラシや連絡先を明記した携帯カードの配布を開始し、学内各所にポスターを掲示しています。2019年3月まで随時啓蒙セミナーや研修などを実施していく予定です。
LGBT、ジェンダー問題等 担当職員(Deputy Title IX coordinator)の配置
米国の大学キャンパス内における性暴力は、米国連邦公民権法第9条(タイトルIX)で禁じられている性差別にあたります。政府の助成金を受給している米国の大学では「タイトルIXコーディネーター」を配置し、タイトルIX関連の申し立てをする学生に適切な対応と支援を行い、大学幹部に報告することが義務付けられています。テンプル大学米国本校でも「タイトルIXコーディネーター」が配置されていますが、この度日本にあるTUJにおいても2018年7月より、ニコール・デプレイが「タイトルIX副コーディネーター」として着任し、米国本校の「タイトルIXコーディネーター」に報告を行います。デプレイは、学生サービス部ディレクターとしてこれまでも10年以上にわたり学生間の問題や学生のケアに関する案件に対応してきました。タイトルIX副コーディネーターとして、今後キャンパス内外での性的暴行、デート中の暴力など、タイトルIX関連の案件申し立てを当該学生またはその友人知人、教職員から受け付ける窓口となり、米国連邦法と学内規定に従い米国本校と連携して対応していきます。
米国出身の学生が約4割、その他の外国籍学生が2割を占めるTUJでは、LGBTの学生も多く、多様性が大学の大きな特徴のひとつです。キャンパス内における宗教・文化上の配慮、あらゆるジェンダーの尊重、多文化の共存などを実現するため、日々さまざまな対応が求められています。「タイトルIX副コーディネーター」の配置は、多様性に富んだ学生へのサービスをさらに拡充するものです。