テンプル大学ジャパンキャンパス(TUJ)企業内教育プログラムは2019年2月27日から3月1日の3日間、バングラデシュ人民共和国 漁業畜産省の幹部職員10人の使節団に対し、日本における畜産品の安全検査についての研修を実施しました。同省からは2018年6月にもナラヨン・チャンドラ・チャンダ大臣を団長とする使節団の研修を実施しており、今回は2回目の使節団受け入れとなります。

バングラデシュ人民共和国では、動物由来の食品が増えている一方、その安全性を担保する国レベルの検査体制が整っておらず、今回の研修の目的は日本における安全検査の実施実態について学ぶことにありました。今回研修した10人は全員が博士や獣医師等の専門職員で、今後国の中心となって検査活動を統括する予定です。

2月27日午前はサーモフィッシャーサイエンティフィック株式会社横浜アナリティカルセンターにてプログラムを開始しました。初めにTUJ企業内教育プログラム ビジネス・ディベロップメント・スーパーバイザーで、前回に引き続き本研修の企画・手配をした大木実によるプログラム・オリエンテーション、また日本文化への導入が行なわれました。

次に特定非営利活動法人食の安全と安心を科学する会 理事長の山崎毅氏(獣医学博士)による、日本における食品安全の問題点、また安全性に関わるリスクコミュニケーションについての講義を受けました。

その後、サーモフィッシャーサイエンティフィック社で事業概要について説明を受け、同社横浜アナリティカルセンターを巡り分析機器の説明を受けました。

午後はショッピングセンターを見学した後、株式会社島津製作所東京支店を訪れ、同社の歴史や事業概要について説明をうけ、また分析機器のショールームの見学をしました。

2月28日午前は一般財団法人農民連食品検査センターを訪れ、設立の背景や活動の概要説明の後ラボ見学、午後には別の検査機関の大規模なラボを視察しました。

3月1日午前には埼玉県の新三郷浄水場を見学し、日本での水処理の方法や水道水質基準について理解を深めました。

午後は、大型スーパーマーケットを見学した後、コープデリ生活協同組合連合会商品検査センターを訪問しました。協同組合の思想や歴史、コープデリグループの理念や概要、業務について説明を受けた後、商品検査センターの見学をしました。

一連の講義と見学を通して研修参加者は、日本における食品安全検査には、さまざまなステークホルダーがそれぞれの立場で関わっていることを実感しました。

TUJ企業内教育プログラムでは、引き続きインドネシアやバングラデシュ、ベトナム等のさまざまな省庁に対して研修を実施する予定です。