テンプル大学ジャパンキャンパス(TUJ)の生涯教育プログラムは、23年前に開講して以来、数万人にのぼる受講生にさまざまな講座を提供してきました。同プログラムは、あらゆる年代の方々が生涯学ぶ場として中心的な存在に成長しました。今年4月には、新たなプログラム・ディレクターとしてジャスティン・サンダース(Ph.D.)を迎え入れました。
学びの機会を「あなた」に
「英語で」学ぶ自己啓発および専門能力養成講座の提供機関として、日本で有数の規模と歴史を誇るTUJの生涯教育プログラムでは、語学、アートからビジネス、ITに至るまで、毎年、数百科目のコースを提供しています。サンダースは、スキルや知識を身に付けたいすべての人々を対象としたプログラムであると語っています。受講生は高校生から社会人までさまざまで、コースの受講と目標の実現に年齢制限はありません。
TUJ学内外から招へいした専門家が、多様性にあふれる学生達と共に素晴らしい学習体験を提供してくれます。同プログラムでは、単に学術的な知識を得るだけでなく、実践的なトレーニングを重視し、受講生が「実際にできる」ようになるためのお手伝いをすることに焦点を当てています。人脈作りもプログラムの鍵となる要素です。「受講生同士の交流が当プログラムの魅力です。受講する皆さんはご自身と同じような興味関心を持つクラスメートと毎週交流し、生涯教育のクラスの枠を超えたネットワーク作りを行っているのです」と、サンダースは語ります。
新しいキャンパス、新しい環境
今秋、生涯教育を含むTUJの全プログラムは、東京・世田谷区にある昭和女子大学のキャンパス敷地内に建設中の新校舎に移転します。この移転は、両大学が推進してきたスーパーグローバルキャンパスプロジェクトの一環であり、日本国内では初の試みです。長年にわたり港区と強固な絆を築いてきた歴史を踏まえ、サンダースは、この移転が生涯教育プログラムにとっても大きな変化になるとみています。世田谷区、三軒茶屋周辺エリアはもとより、首都圏に広がる企業、社会人、地域コミュニティの方々のニーズに合った講座設計をさらに進めることが期待されます。「今度の移転は、プログラム内容を見直し、移転先のコミュニティに適した改定を行うと同時に、より多くの方々のご要望に応える柔軟な講座設計を進める上でも絶好のチャンスとなるでしょう」と、サンダースは抱負を語っています。
移転キャンペーンとして、周辺地域に在住・在勤の方々を対象に、すべての生涯教育プログラムの講座を割引価格で提供する予定です。
東京 – 上海 – 香港 – シンガポール…ビジネスネットワークの一部に
TUJは渋谷から地下鉄でわずか10分の場所にあるキャンパスに移転するため、生涯教育プログラムにとっては、西東京エリアがより大きな市場となる一方で、その発展はそれだけに留まりません。世界のあり様が変化していく中で、サンダースは、生涯教育プログラムの成長と拡大が起業やデジタル技術分野に広がっていくと予想しています。「私たちは、東京、上海、香港、シンガポールをはじめ、東アジアの有力都市で構成されるこの国際的なイノベーション・コミュニティの一部なのです。だからこそ、私たちは東京のいたる所でイノベーションを促進し、支えていくための講座を増やしていきたいと考えています」と語っています。
2020年の東京オリンピック・パラリンピックに向けて、ホスピタリティと観光、小規模ビジネスにおけるマーケティング、また既存の英語、中国語、日本語に加え、フランス語、韓国語など世界の言語に関する講座も更に増やしていく予定です。
アゼルバイジャンから大阪…そして東京へ
サンダースは、TUJ着任前には大阪で3年間を過ごし、大阪大学人間科学研究科で教育学博士号を取得しました。国際教育と高等教育の分野で14年を超える経験を有し、世界を代表する国際教育プログラムであり大学入学資格試験でもある国際バカロレアの専門研究員など、さまざまな職を経験してきました。旅行で訪れた国は40か国以上で、米国平和部隊の教育ボランティアとしてアゼルバイジャンに2年間派遣されたこともあります。
サンダースが教育の世界に足を踏み入れたきっかけは、彼が学部生だった頃にさかのぼります。政治学の教授が学生たちに対し、世界の主だった問題について考え、どのような解決策が可能かを提案するよう指示したことがありました。サンダースは、テロリズム、地球温暖化、病気、飢餓といった問題について考えると、これらどれもが教育を通じて対処可能だということに気付いたのです。彼はその時、教育以外に自分が満足できる仕事は存在しないことを悟ったのです。