テンプル大学ジャパンキャンパス(東京都世田谷区/学長 マシュー・ウィルソン、以下TUJ)の大学生は、コロナ禍での就職活動をどう乗り切り、従来とは異なるオンラインでの就職活動に挑んだのか。今回ボストン コンサルティング グループに内定した山崎 沙綾 さん(経済学専攻)、アマゾンジャパン合同会社に内定した榮 理公さん(国際関係学専攻)、電通デジタルに内定したケネス・コネリーさん(コミュニケーション専攻)の3人に話を聞きました。
前提として、TUJは米国の大学であり、日本の暦の3月卒業ではありません。また4年間で卒業しなければならないという決まりもなく、単位を早く取り終われば4年未満で卒業が可能で、それ以上の時間をかけて卒業することもできます。3学期制をとっており、その学期で単位取得が完了すれば学位取得となり卒業できます。
オンライン就職活動のメリット、デメリット
ボストン コンサルティング グループに内定した山崎 沙綾 さんは、コロナ禍のオンラインでの就職活動については、授業の合間でも説明会に参加しやすく、実際にオフィスに行くことなく面接を受けることができるので、効率がよかったと語ります。しかしその反面、説明会や面接はどこからでも参加できるということで、東京在住の学生に限らず、世界中の学生と共に就職活動を行う為、多くの日英バイリンガルの学生が競争相手になり、厳しさを実感したとのこと。オンライン就職活動で山崎さんが一番困ったのは情報交換できる仲間を作りにくいこと、実際にオフィスを訪れたり、働く社員の方に会えないという不便さがあったとのことです。
電通デジタルに内定したケネス・コネリーさんは「オンラインでの就職活動は自分にとってやりやすかった」と話します。何百人もの学生が一同に集まる説明会と違って小人数で行われる為、社員の方への質問がしやすく、知りたい情報を効率的に得ることができたと語ってくれました。
インターンシップの経験値は就職へとつながる
米国の大学の多くでは、インターンシップは単位として認められています。TUJでも単位を付与しており、積極的に学生がインターンシップを経験できるようにサポートしています。3人の学生はそれぞれインターンシップでの経験が大変貴重なものであったと語ってくれました。山崎 沙綾 さんはもともと米国の大学への進学を希望していたが、TUJを選んだのは日本にあるITベンチャー企業でインターンシップがしたかったからだと話します。「将来、自分の会社を持ちたいんです。そのために経験がほしかった。米国に渡るよりもTUJのほうが国籍、年齢、宗教、文化と様々なバックグラウンドを持った人がいるので、広い世界を見ることができました。インターンとして1つの企業にかかわり、その業界を深く見ることができました。今度はさらに広い視点で、多くの事業会社の経営に接し、勉強したいのでコンサルタントを希望し、内定をもらえました」と語っています。
アマゾンジャパン合同会社に内定した榮 理公さんは国際難民支援団体でのインターンシップの経験についてこう語ります。「国際的な環境で働くことはどういうことなのかをインターンシップを通して学ぶことができました。自分が将来何を目指したいのかも更に明確にイメージできるようになったと思います。アマゾンジャパン合同会社は国際色豊かな雰囲気があり、面接時にも共感することが多くあったため、私も是非この会社で社員の方々と一緒に働きたいと強く思いました」
コネリーさんは、米国のNBC TVでインターンをし、2020年の夏に東京オリンピックに関わる予定でしたが、開催が延期になったためその機会もなくなってしまいました。「インターンシップができなかったことはとても残念ですが、学生時代に学んだことはすべて貴重な体験です」と語ってくれました。
就職へ向けてのTUJのサポート体制、魅力的な企業との出会い
コネリーさんと榮さんは就職活動を進める課程でTUJの就職サポートがとても役に立ったと語ります。榮さんは「就活について何も分からなかった自分に、履歴書の書き方、エントリーシートの添削、どのように自分を表現すればいいのか、そして面接の練習と一から十まで丁寧に自分に向き合ってくれ、就活をスムーズに進めることができました。いつでもどんなことでも相談できる就職サポートはまさに自分にとって就職活動の119番でした」と話します。
コネリーさんはTUJ就職部が主催する学生向けのキャリアフェアで電通デジタル株式会社と出会い、採用プロセスを経て、就職を決めました。「私が就職活動を始めたのは決して早いタイミングではありませんでしたが、就職サポートを積極的に利用しました。特にコロナ禍でなかなか企業を訪れることが出来ない中、企業がキャンパスへ出向いてくれるTUJのキャリアフェアは学生にとってこれ以上ない機会でした。オンラインで開催されたキャリアフェアでも企業の担当者にどんどん質問しました」と語ります。
「バイリンガル」だけでない、TUJで培った人間力と社会性
3人それぞれが、TUJでの学生生活はとても充実しており、自分の学びたいことをやり遂げることができたと語ります。「TUJの教授陣は企業での実務経験もあるので、ビジネスの授業では教科書の範囲を超えた実践的な知識やフレームワークを学べ、毎回の授業がすごく面白く、ためになりました」と山崎さんは話します。榮さんは「TUJでの生活は想像以上に大変でしたが、スケジュールを立てて課題をこなしました。授業ではディスカッションを通して物事を客観的に見る力や国際的な感覚が身についたと思っています。その力が自分の将来を考えることにも繋がり、計画的に物事を進めることができる自分になりました」と話してくれました。
コネリーさんは学生生活の中で自分の小さな世界に閉じこもらないことを心がけてきたと話してくれました。たとえば、コミュニケーション学科には、取材をして映画を製作する授業などがありますが、多くの学生は自己満足で終わらせることが多い。そんな中で、自分の作るものが社会の中でどのような評価をもらえるかということを意識すること、実際に授業で作った作品を、昭和女子大学との合同授業で披露し、フィードバックを得る機会を持ち、自分の作品が自分の世界の外で通用するのかどうかを常に考えていたと語ってくれました。
在学生たちへ
最後に在学生へのメッセージとして、インタビューを受けた3人は共通して「自分で行動することが1番大切」と語っています。3人は「TUJでの勉強は大変であり、その中で就職活動していくことは容易ではない。しかし、授業やインターン、学校内外での活動の中で、失敗を恐れずにアクティブに行動することで新たな発見や自分の世界を大きく開いていくことができる」と口をそろえて言います。また、「TUJでの生活で得た経験はなかなか体験できない特別な経験であり、就職活動だけではなく、その後の自分の将来を描くことにも大きく繋がっていくから自信をもってチャレンジしてほしい」と在学生にメッセージを送りました。