2023年8月3日、8月25日(改訂)
テンプル大学ジャパンキャンパス(東京都世田谷区 以下TUJ)のマシュー・ウィルソン学長が、この春、国際基督教大学(東京都三鷹市、以下ICU)のキャンパスに招かれ、リベラルアーツ教育の価値と国際経験の意義について、ICUのロバート・エスキルドセン学務副学長と対談を行いました。
TUJは昨年開校40周年を、そしてICUは今年献学70周年を迎えています。この節目の年に、日本の高等教育の国際化を担う両学のリーダーが、大学のグローバル戦略、日本の教育に対する独自の貢献、コロナ禍でもたらされた課題の克服、新しいテクノロジーへの適応など一連の話題について幅広く意見交換を行いました。対談のトピックは次のとおりです。
- グローバル経済の中で活躍できる学生の育成には、ジェネラル・エデュケーションが重要
- 急速に変化する世界に対応するためには創造性とリーダーシップを育むことが不可欠
- 学生一人一人がよりグローバルな思考を備え、国際的な関心を持つことが必要であり、この目標達成にリベラルアーツ教育が重要な役割を果たす
- このような教育が異文化理解、効果的コミュニケーション、課題の特定と解決策の発見を促す
- リベラルアーツ教育は学生が将来のキャリアに備える上でも大切
さらに両氏は、AI(人工知能)やChatGPTのような新技術の出現についても議論し、学生たちがこれらのテクノロジーを使う際、批判的思考力を働かせて活用していくことをきちんと教える重要性を強調しました。対談のなかでは、「こうしたテクノロジーの台頭は雇用市場に変化をもたらし、専門に特化した教育の潜在的なマイナス面が見えてくるかもしれない。技術の進展に適応・対応できるよう、より幅広い教育を提供することが必要だ」といったコメントや、「いくら技術が進歩したとしても教育には人としての関わりや人の存在が欠かせないことはいうまでもなく、効果的な学習を進めるうえで、教育の本質的役割をテクノロジーが代替することもできない。もちろん、テクノロジーは価値あるツールではあるが、まだ教育者の役割に取って代わることは難しい」という指摘もありました。
TUJはこの対談のハイライトをまとめた動画を制作しました。以下のリンクをクリックしてご視聴ください。
https://www.youtube.com/watch?v=QbvpuWuJ-k8