2025年3月9日、日本を代表するジャズクラブにて、テンプル大学ジャズバンドを指揮するテレル・スタッフォード(左)
ビデオを見る:
テンプル大学ジャパンキャンパス(東京都世田谷区/学長ウィルソン、以下TUJ)の米国本校、テンプル大学(ペンシルベニア州フィラデルフィア)のジャズバンド(Temple University Jazz Band)が、2025年3月に初来日、そのダイナミックなパフォーマンスを披露しました。その演奏を指揮し、自らも演奏したのは、テンプル大学音楽・ダンス学部(Boyer College of Music and Dance)教授であり、グラミー賞受賞作品にも参加した名トランペット奏者、テレル・スタッフォードです。彼の指導のもと、ジャズバンドはエネルギッシュな演奏と躍動感あふれるソロで、日本の観客を魅了しました。

この記念すべき公演で、ジャズバンドは、3月8日に日本教育会館一ツ橋ホールで開催された早稲田大学ハイソサエティ・オーケストラの第69回リサイタル「Derivation」にゲスト出演し、翌9日には赤坂の名門ジャズクラブ「 B-flat」で2回のライブを行い、合計17曲を披露しました。
テンプル大学ビッグバンドの実力
今回、テンプル大学本校から来日した21名のメンバーは、デューク・エリントンやハービー・ハンコックといったジャズ界の巨星たちの楽曲を含む、多彩なレパートリーを披露しました。ジャズバンドは、ダイナミックなパフォーマンスと優れたジャズ教育で知られる学生ビッグバンドです。その実力は全米でも高く評価されており、2022年にニューヨーク市マンハッタン区にあるジャズ・アット・リンカーン・センターで開催された「ジャック・ルーディン・ジャズ・チャンピオンシップ」で準優勝を果たしています。また、ジャズバンドはトランペット奏者で作曲家のウィントン・マルサリスをはじめとするジャズ界の巨匠たちと共演し、大学ジャズプログラムの中でもトップクラスの地位を確立しています。マンハッタン区のリンカーン・センターのディジーズ・クラブ・コカコーラ、ケネディ・センター、フィラデルフィアのキメル・センターなど、一流の会場での演奏実績を誇ります。さらにその活動はアメリカ国内にとどまらず、ドイツやオランダでの海外ツアーも成功させており、今回のツアーは、ジャズバンドにとって初めての日本公演となりました。
スタッフォード教授の教育的なアプローチ
スタッフォード自身は日本での演奏経験が豊富ですが、ジャズバンドを率いての来日は初めての経験でした。「過去に来日した時は、演奏を終えたら部屋に戻って休む時間がありました。しかし、今回は、指導者としてリハーサルや細かい調整など、常に準備に追われていました。本当に大変でした」と語りました。

それでも、日本でのツアーは非常に意義深いものだったようでした。「教育的な要素を取り入れたいと考えており、コラボレーションの機会も大切にしたいと思いました。そして、日本の観客にジャズバンドの演奏を届ける場を作りたいと思っていました」と、赤坂B-flatでの公演前のインタビューで述べました。「多くの方々のサポートがありました。音楽学部の日本人卒業生がこのジャズクラブを見つけてくださり、今回の講演が実現しました。本当に素晴らしいことです。」
TUJの学生との文化交流
今回の日本公演は、演奏だけにとどまらず、TUJBの学生たちにとって日本文化を体験する貴重な機会にもなりました。学生たちは浅草を訪れ、歴史ある寺院を見学し、商店街を巡りながら日本ならではの食事や買い物を楽しみました。

また、来日した数名の学生とTUJの学生が交流する機会もありました。TUJ3年生の芹沢匡奏(せりざわ きょうか)さんと竹内七海(たけうち ななみ)さんは、バンドメンバーのマリア・マルマロウさんとスコット・アルベルティさんを渋谷などに案内し、洋服やCDを探しながらお互いの音楽の趣味について語り合いました。
「CD店に行って最新のJ-POPを紹介しました。一方で、彼らはジャズを教えてくれて、お互いにおすすめのCDを購入しました」と、芹沢さんが振り返ります。その後、一行は三軒茶屋にあるTUJのキャンパスを見学し、最後は近隣の商店街でラーメンを味わいました。
さらなる繋がり
TUJの卒業生や学生、教職員もB-flatでの公演に足を運び、日本のジャズファンとともにジャズバンドの演奏を楽しみました。芹沢さんと竹内さんも観客としてその会場を訪れ、米国本校の学生たちの演奏を間近で体感しました。
「バンドの演奏に本当に感動しました」と芹沢さんは語りました。「マリアは一緒に買い物をしているときはとても穏やかだったのに、ドラムセットの前に座ると、一気にそのテンションが変わり、迫力のある演奏を披露していました。正確なテンポ刻み、力強いソロに圧倒されました。本当に素晴らしかったです」。
スタッフォード自身もTUJとのつながりを強く感じたようです。過去にヴァンガード・ジャズ・オーケストラのツアーで来日した際、TUJの教員が彼の公演を訪れていたことがあり、以前から日本校には馴染みがありました。「以前からTUJとは繋がりはありましたが、今回の訪問を通じて、TUJの皆さんとの関係がより深まりました」とスタッフォードは語りました。
テレル・スタッフォード
テンプル大学で長年ディレクターを務めるスタッフォードは、30年以上のキャリアの中で、グラミー賞を受賞し、ジャズチャート上位にランクインしたアルバムに参加しています。さらに、シャーリー・スコット、ベニー・ゴルソン、ジミー・ヒースといったジャズ界のレジェンドたちと共演するなど、輝かしい実績を持ちます。しかし、彼の活動は演奏にとどまりません。次世代のジャズミュージシャンの育成にも力を注いており、現在はテンプル大学本校の音楽・ダンス学部でジャズ研究学科のディレクターおよび演奏部門の責任者を務めています。さらに、フィラデルフィア・ジャズ・オーケストラのマネージングおよびアーティスティック・ディレクターとしても活躍し、フィラデルフィアの音楽シーンに貢献しています。

関連ニュース
- TUJ Talks “Once Upon A Time…” 開催~スピーチとパフォーマンスで綴る、心響く物語~ (2024年12月5日)
- テンプル大学、世界大学ランキングで高評価を獲得 (2024年10月24日)
- テンプル大学のロースクールと大学院教育学研究科が、US ニューズ &ワールド・レポートで高評価、法廷弁論部門では全米1位を獲得 (2024年6月19日)