平成15年2月6日

テンプル大学ジャパンキャンパス(TUJ:東京都港区)およびテンプル大学ロースクール(アメリカ、ペンシルベニア州フィラデルフィア)は、テンプル大学ロースクールジャパンプログラムのディレクターであり、TUJの副学長を務めるローレンス・レペタ教授が、このたび安倍フェローシップ研究奨学金を獲得したことを発表いたします。今後、レペタ教授は安倍フェローの一員として、市民団体の研究および政府機関が保有する情報へのアクセスに関する研究に邁進することになります。

レペタ教授のプロジェクトは、公益団体による各国の情報公開法の成功した利用例を描いた報告書を作成するというものです。こうした事例は、日本を含む最近情報公開法を制定した世界中の国々で見ることができるでしょう。プロジェクトの最終的な目標は、公的な政策形成への市民参加を進めることにあります。

安倍フェローシップは、日米センター(CGP)の中核事業として1991年に設立されました。地球規模の問題に関する国際的な共同研究を奨励することを目的としており、安倍晋太郎元外務大臣が提唱した構想に基づいて設立されたため、氏の名前を冠しています。日米センターの使命は、日米関係の緊密化と両国が共同で世界に貢献していくことに寄与することです。

TUJのカーク・パタソン学長は、TUJを代表し「CGPがTUJの教授を選んだことは、私たちにとっても非常な名誉なことです。今回の奨学金授与そしてその対象となったプロジェクトの内容は、まさに研究機関としての充実とグローバル社会に羽ばたく学生への教育を提供するというTUJの使命と一致するものです。」と述べました。

プロジェクト実施にかかる今年9月から来年5月の9ヶ月間、レペタ教授はワシントンD.C.にある非営利・非政府組織であるナショナル・セキュリティ・アーカイブ(National Security Archive 以下NSA)に本拠を置くこととなります。NSAは、1985年にジャーナリストや学者からなるグループによって設立され、現在は、秘密指定解除文書を扱うNGOとしては世界最大の図書館となっています。NSAはジョージワシントン大学のガルマン図書館の中にあり、200万ページを超えるアセスメントなど情報自由法により取得した文書を含む収蔵文書を誇ります。この機関は、出版物の収益およびカーネギー財団、ジョン・D&キャサリン・T.マッカーサー財団、フォード財団などの民間の助成財団による貢献により支えられています。

レペタ教授は、市民の知る権利の擁護のために活動するNPO法人情報公開クリアリングハウスの理事として、発足時から活動を続けています。また同教授がディレクターを務めるテンプル大学ロースクールは、日本国内で唯一、ABA(米国法曹協会)に認定された米国法および国際法の法学修士プログラムです。1994年に日本で開設され、これまでに数百人の日本・アメリカおよび諸外国の学生が参加しています。