俳句イベント終了後、TUJと昭和女子大学の学生・教員が集合写真を撮影
テンプル大学ジャパンキャンパス(東京都世田谷区/学長:マシュー・ウィルソン、以下TUJ)の日本語学科コースを履修する学生が、2022年10月22日、昭和女子大学(学長:小原奈津子、以下SWU)の学生と合同で句会に参加しました。TUJの学生は平和をテーマに俳句を詠み、日本語と日本文化への理解を深めました。
今回の俳句のイベントは句会の形式で開催されました。両大学の学生が自作の俳句を出し合い、それを評価、批評し合う貴重な機会を得ました。句会には、昭和女子大学日本語日本文学科の客員教授であり著名な俳人の黛まどか氏より、作品の講評や、学生たちへのアドバイスがありました。
イベント終了後のアンケートでは、「俳句の本質を理解し、日本語の語彙を増やすのに役立った」とTUJの学生が回答しています。その他には、この句会が両大学学生同士の友好関係を深めたという意見もありました。
TUJで日本語を専攻する4年生で米国ニュージャージー州出身のロバート・カーシナさんは、SWUの学生と出会い、新しい友人をつくることができ、とても良い経験をした、と語っています。句会は、ほとんどネイティブレベルの日本語で行われたため、最初はついていくのが困難だったそうですが、これは自らの語学能力を向上させるための重要な機会になったと述べています。「様々な俳句を鑑賞することができたのは、貴重な経験でした。俳句は毎日の生活に新たな感謝の気持ちを与えてくれるものなので、もっと多くの人に興味を持ってもらいたいと思います」と述べました。
俳句を作った経験のあるカーシナさんが詠んだ句、「戦だぞ 紅葉が舞い 鬼ごっこ」は、黛先生から「特選」を受賞しました。「他にもとても素敵な俳句があったにもかかわらず、黛先生が、私の俳句を選んでくださったことにとても驚いています。3年前、ある先生から自分で俳句を作る練習をするといい、と言われたことがきっかけではじめたので、こうして今回特選に選ばれたことは感慨深いです。黛先生から、これからも俳句を続けるようにと励まされ、そうしようと思いました」と語っています。
カリフォルニアの大学から交換留学生として秋学期からTUJで学んでいるマックス・サンチェスさんは、このイベントで俳句が日本文化に与える影響について学ぶことが有意義だった、と話しています。
サンチェスさんの詠んだ、「初紅葉 静かな林 神の息」という句は、参加した多くの学生から好評を得ました。この句は、彼が8月下旬に来日したときの体験をもとに作られました。「杉並区の住宅街を散歩しているときに、緑の木々に囲まれた静かな街並みに気づきました。私が住んでいたカリフォルニアの故郷では、あまり緑がなかったので、東京の街並みでも自然が多いことに驚きました。俳句は、自然だけではなく、韻を踏むなど伝統的な詩の要素も取り入れた作品にしようと思って作りました」。
TUJ日本語学科の山口麻子准教授は、3年前にSWUから句会の参加の誘いを受けた当時、TUJの学生が句会に参加するのは難しいと考えていました。山口准教授は、「今回は、私のライティングクラスの一環として行うことで、学生たちにしっかり俳句の基本を学んでもらい、学生自身で俳句を詠めるところまでサポートしていこうと決めて、句会に参加することを決めました。SWUの槍田良枝名誉教授のビデオレクチャーを含めて、同大学の協力と学生たちの努力によって、なんとか実現までにこぎつけることができました」と述べました。
山口准教授によると、黛客員教授や、SWUの教職員からも、母国語が日本語ではないTUJの学生が詠んだ俳句の質の高さに感心したと、好意的な評価が寄せられたそうです。「多くの高い評価をいただいたことは、私にとっても嬉しいことですが、おそらく学生たちにとって大きな自信となり、それはとても意義深いことだと思いました」と話しています。
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