『The History of Temple University Japan: An Experiment of International Education』の書籍。表紙にはTUJのシンボルとなっている学生ラウンジ「パーラメント」の壁画が使われた。壁画は美術学科専攻の卒業生によるもの。写真撮影：William Galopin
テンプル大学ジャパンキャンパス（東京都世田谷区／学長マシュー・ウィルソン、以下TUJ）は、このたびテンプル大学出版より「The History of Temple University Japan: An Experiment of International Education (仮訳 「テンプル大学ジャパンキャンパス：国際教育の試み」：未訳書)を刊行しました。
TUJの元学長2名、リチャード・ジョスリン博士とブルース・ストロナク博士の共著によるこの書籍は、40年にわたるTUJの歴史を振り返り、日本で学部課程、大学院課程を提供する唯一の米国の大学として、また国際的な教育を提供する米国の高等教育機関の草分けとしてTUJがどのように進化してきたかを紐解いたものです。アカデミックプログラムの開発や学生募集についてはもちろん、フィラデルフィアにある米国本校からの揺るぎない支援が、カリキュラムや教授法における継続的な改善を促進したことを詳しく解説しています。両氏の経験とリサーチをもとに、TUJの歴史を通して密接な日米関係についても洞察する内容となっています。
【著者コメント】
ブルース・ストロナク博士（TUJ学長在任期間：2008～2020年, 前横浜市立大学学長）は、日米の文化交流におけるTUJの役割を強調し、次のように述べています。「日米の大学が真にグローバルな教育環境を創造するためには、両国の教育・文化関係において成し遂げられるべきことがたくさんあります。本書は、効果的な海外分校を開設し、それを通じて日本人、アメリカ人といった狭い呼称を超えた文脈で世界中の学生を教育する方法を示す優れた青写真となるでしょう」
リチャード・ジョスリン博士（学長在任期間：1996 ～2001年、米国本校名誉教授）は、TUJのグローバル教育に対するコミットメントをあらためて強調し、次のように述べています。「過去40年にわたる歴史を振り返ると、TUJがいかに繁栄と実績を誇る高等教育機関へと成熟してきたかに驚かされます。当初は日本政府との関係が険悪だったり、財政難に陥ったりしたこともありました。また、東日大震災や原発事故、コロナ禍といった危機もありました。TUJはそれらを乗り越え、成功を収めています。テンプル大学には『Perseverance Conquers（忍耐はすべてに打ち克つ）』というスローガンがありますが、TUJはまさにそれを象徴する存在となり、世界中の多くの学生に希望と機会を与えています。TUJの偉業を正しく伝え、国際教育の理念と実践に関心のある方々とその物語を共有することは、この上ない喜びです」。
また、ストロナク博士は、自身とジョスリン博士の違いがこの本に相互補完的な視点を与えている点を指摘し、次のようにコメントしています。「ジョスリン博士がテンプル大学本校内部の人間であったのに対し、私は日米関係の専門家で日本在住でしたから、ふたりのTUJに対する認識は異なるものでした。その結果、ジョスリン博士はTUJの歴史に忠実に著し、私は現代の状況におけるTUJの存在に焦点を当てることができ、すばらしい組み合わせになったと思います」。
【TUJについて】
この書籍は、TUJ創立40周年を記念して、今年2月に米国ペンシルベニア州フィラデルフィアのテンプル大学本校で開催された創立40周年記念式典に続き、刊行されました。TUJは1982年6月、テンプル大学の東京キャンパスとして設立されました。2005年には文部科学省より初の「外国大学の日本校」指定を受けています。
TUJは多様性に富んだ教育機関です。2023年春学期現在、学部課程学生の国籍内訳は、日本人40％、米国人36％、その他（50カ国以上）24％となっており、教授陣も同様に多国籍です。1,840人以上の学部生（2023年春学期）に加え、大学院（教育学研究科、マネージメント修士、ロースクール）には約250人以上が在籍しています。このほか、学位取得を目的としないプログラムとして、生涯教育プログラムおよびアカデミック・イングリッシュ・プログラムを提供し、2,000人以上が学んでいます。
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