平成15年6月4日

テンプル大学ジャパンキャンパス(TUJ:東京都港区)およびテンプル大学ロースクール(アメリカ、ペンシルベニア州フィラデルフィア)は、テンプル大学ロースクールジャパンプログラムの新しいディレクターとして、7月1日付でマシュ-・ウィルソン教授の就任を発表します。現在のプログラム・ディレクター兼TUJ副学長のローレンス・レペタ教授は、安倍フェローシップ研究奨学金を獲得し、米国ワシントンD.C.で市民団体の研究および政府機関が保有する情報へのアクセスに関する研究を行うことが決まっており、TUJを退任します。

ウィルソン教授は、米国フロリダ州およびニュージャージー州の弁護士資格を有し、これまでフロリダ州にある法律事務所Akerman Senterfitt P.A.の弁護士として、またAdvanced Telecommunication Network社(本社:米国ニュージャージー州)の法律顧問として、国際法を専門に活躍してきました。米国および多国籍企業の法律顧問としてこれまで中心に扱ってきた分野は通商取引訴訟、知的財産権、国際法、企業間取引などに及んでいます。

ウィルソン教授とテンプル大学および日本との縁は、今に始まったことではなく、この就任は同教授にとっていわば懐かしの地への里帰りといった意味合いをもっています。1997年同教授はTUJのロープログラムにも在籍、またサイパンにおける日本企業間の訴訟額にして数百万ドルにも及ぶ複雑な係争に携わり、一層の研鑽を積んでいます。またその2年後1999年テンプル大学本校のロースクールでJ.D.を取得しています。法曹界に進む以前にも日本に5年間滞在し、横河電気、ソニーといった日本企業での勤務、法律・技術関連の翻訳、また輸出入の会社の経営など多彩な経験に溢れ、日本語にも堪能です。

ウィルソン教授が培ってきた国際法、法体系の比較、米国法の域外適用などの理論と実践に対する貴重な見識は、TUJのロースクールで学ぶ日本、米国、そして世界各国からの学生に大きく寄与することが期待されます。TUJのカーク・パタソン学長は、TUJを代表し「ウィルソン教授の就任を心から歓迎します。テンプル大学の卒業生であり、またTUJのロースクールでも学んだことのある同教授は、新ディレクターとしてまさに適任者と言えます。プログラムの更なる充実を図るにあたって、これまでの教授の日本における様々な経験が大きな資産となり、企業の法務研修や、学位取得を目的としないプログラムの発展向上をも推進してくれることでしょう。」と述べています。