ICAS共同ディレクターのカイル・クリーブランド

ICAS共同ディレクターの一人カイル・クリーブランドが講義を行う。

テンプル大学ジャパンキャンパス(東京都世田谷区/学長:マシュー・ウィルソン、以下TUJ)の現代アジア研究所(ICAS=Institute of Contemporary Asian Studies 略称の読み方:アイキャス)は、このたび本学卒業生2名より、総計2,500万円(189,000米ドル)の寄付を受けました。

大学附属研究機関であるICASは、2004年に「現代日本研究所」としてスタートして成果を積み重ね、2010年に研究対象をアジア全域に広げて現在の形となりました。ICASは共同ディレクターのカイル・クリーブランド博士とロバート・デュジャリック氏のもと、世界中から集う研究者たちの知的で文化的な交流の場として活動してきました。グローバルな環境で活躍する研究者たちが重要なテーマについて発表し、革新的な議論を行う場を提供するため、年間35回程度の公開講座やシンポジウムを定期的に開催しています。そのテーマはアジアの政治、経済、外交から映画、ポップカルチャーに至るまで幅広く、いずれも講演者が論点を提示した後、多様なバックグラウンドの参加者が活発に議論を行う形式となっています。

今回の多額の寄付は、こうしたICASの活動内容・範囲の更なる充実と拡大に資するものです。今後、大学生が研究・人脈づくり・就職に向けたトレーニングなどの面でICASに関わる機会をさらに増やしていく計画です。それに伴い、アジア研究を専門とする優秀な学生による「ICASアンバサダー・プログラム」の創設も予定しています。また、国際関係、国内・国際政治、アジアや周辺地域にとって重要な分野にフォーカスしたアジア・日本研究のための新しいプログラム支援に充てる予定です。

ICAS共同ディレクターのロバート・デュジャリック
ICASが2023年2月14日に米国の元日本軍捕虜の遺族を招いたイベントにICAS共同ディレクターのロバート・デュジャリックが登壇。写真撮影:Willian Galopin

■TUJ学長マシュー・ウィルソンのコメント

「ICASのこれまでの実績と将来性を評価し、卒業生お二人からこのたびICASへ寛大なご寄付をいただきました。これまでICASが付加価値の高い知的コンテンツを提供し、学生や研究者、クリエーター、実務家等と活気ある開かれたコミュニティを形成してきたことの証しでもあります。私たちは日本・アジアにおける政治的・社会的・法的・産業的な重要テーマについて、学生への教育だけでなく、もっと幅広い層に情報を提供しつづけたいと考えています。今回の寄付によってICASでの研究・活動は、より多くの“学習者”を巻き込み、日本やアジア地域に対する理解を深めることに大きな影響を与えることができます。TUJは常に、文化的な能力を高め、世界の人々に影響を与える諸課題への理解を深めることを目指しています」

ICASは過去20年にわたり、タイムリーな情報の提供、オープンで公正、で十分な情報に基づいた議論を促進することで、学者やジャーナリスト、政府関係者、軍関係者、産業界の専門家たちのネットワークを育みました。ウェビナーやシンポジウムなど様々な形の公開フォーラム(東京でのリアル開催および世界から参加可能なオンライン開催)を通じてその相互理解を促進してきました。また、学生に対しても重要課題に関する知識を、インタラクティブな方法で得られる場を提供してきました。今回の歴史的ともいえる寄付は、こうした活動を今後さらに発展させる基盤となるものです。

■テンプル大学およびTUJについて

米国ペンシルベニア州フィラデルフィアにあるテンプル大学は、米国の公立大学としてトップ校のひとつであり、世界の全大学中でもトップ350にランクされています。本校のアジアにおける拠点キャンパスであるTUJは1982年に設立されました。外国大学の日本校としては最も長い歴史と最大の規模を誇り、2005年には文部科学省から初の「外国大学の日本校」に指定されています。現在TUJには約70か国から集う約2,000名の学部生のほか、数百名の大学院生が在籍しています。