2025年2月4日、TUJで講義を行うシビ・ジョージ駐日インド大使

シビ・ジョージ駐日インド大使は、2025年2月4日にテンプル大学ジャパンキャンパス(東京都世田谷区/学長:マシュー・ウィルソン、以下TUJ)で、「インド太平洋とその先における日印パートナーシップ (The India-Japan Partnership in the Indo-Pacific and Beyond)」と題した特別講義を行いました。講義では、インドの経済状況、日本との外交関係をはじめ、歴史、教育、文化、今後の展望について幅広く語られ、TUJの学生や教職員にとって貴重な学びの機会となりました。

TUJのキャンパスでジョージ大使を迎えるウィルソン学長(左)

講義に先立ってウィルソン学長がジョージ大使を迎え、キャンパスを案内しました。講義は立ち見が出るほどの盛況となり、TUJの学生の関心の高さがうかがえました。講義後、学生や教職員による活発な質疑応答が行われました。

ジョージ大使は講義の中で、オーストラリア、インド、日本、米国の4カ国が参加する「クアッド(Quad)」など、最近の主要な国際会議における日印首脳の関わりについて言及しました。また、2000年代後半の世界金融危機を契機に設立された20カ国・地域首脳会議(G20サミット)におけるインドの果たした重要な役割を強調。さらに、同大使は、インドとその地域パートナーが直面する地政学的・地経学的な課題に触れ、自由で開かれたインド太平洋の実現に向けた取り組みを紹介しました。

満席の教室で、大使の講義を聴く学生や教職員。

日本との関係については、世界第5位の経済大国であるインドでビジネスを展開する日本企業の進出が拡大していること、また、TUJを含む日本の大学で学ぶインド人学生の数が増加していることにも言及。一方で、さらに多くの日本企業がインドで事業を展開し、日本の高等教育機関で学ぶインド人学生が増えることを期待していると述べました。

ジョージ大使は、インドの学生に日本の教育への理解を深めてもらおうと努力しており、関心が高まる大きな可能性を感じていると、また、現在多くの交流が生まれており、今後、さらに増えていくことは間違いないと述べ、日印の教育分野でのさらなる連携拡大に期待を寄せました。

TUJには2,500名の学部生が在籍し、約80の国と地域から多様な学生が集まっており、その中で、インド人学生は国籍別で上位10カ国に入っています。インドとのつながりは年々深まっており、これまでインドの有力大学であるタパール工科大学およびO.P.ジンダルグローバル大学(JGU)と提携を締結しています。

JGUとの提携の一環として、TUJは2025年6月と7月に京都の新拠点「TUJ京都」で40名のインド人学生を受け入れ、特別なサマープログラムを実施する予定です。このプログラムでは、日本のビジネスや経営に影響を与えてきた歴史的な発展の流れを学びます。TUJは、JGUの学生が国や文化の違いを踏まえた、日本のビジネス、経営、政策の現状を包括的に学ぶことを目的としています。

大使は終始親しみやすく、温かい雰囲気で学生と対話し、学生から好きなインド料理について尋ねられると、笑顔で「ほとんど全部ですね」と答え、「私は南インド出身なので、ビリヤニが好きです」と話しました。また、学生たちがインドへの理解を深められるようにと、大使はナレンドラ・モディ首相に関する書籍をはじめ、インドの歴史、宗教、ヨガなどをテーマにした20冊以上の本をTUJの図書館に寄贈しました。

TUJでは、定期的に日本政府をはじめ、外国の大使館や政府高官をゲストスピーカーとして招き、学生たちが直接話を聞ける貴重な機会を設けています。2024年8月には、ヴィベック・マーシー米国医務総監(バラク・オバマ氏、ドナルド・トランプ氏、ジョー・バイデン氏の各大統領政権で同職を務めた)とTUJ学生との対話がありました。そのほかの最近のゲストにはジャン・アントワーヌ・デュフ駐日セネガル大使(2024年4月)、四方敬之(しかた・のりゆき)内閣広報官(2023年9月)、ドン・グレイブス米国商務省副長官(2023年9月)、ラーム・エマニュエル駐日米国大使(2023年2月)などが含まれます。

※出典:世界銀行データベース
https://data.worldbank.org/indicator/NY.GDP.MKTP.CD?most_recent_value_desc=true


関連ニュース