2026年3月5日、駐日アイスランド大使のフレイン・パウルソン氏による特別講演を聴く学生たち。
- 学生が国連およびアイスランドに関する講演を通じて、安全保障とジェンダー平等について理解を深める
- アイスランドは世界経済フォーラムの2025年版「グローバル・ジェンダーギャップ報告書」でジェンダー平等世界第1位を獲得
- 国連の講演では、AIシステムにおける真実性・安全性・正確性の重要性を強調
テンプル大学ジャパンキャンパス(東京都世田谷区、学長:マシュー・ウィルソン、以下TUJ) は3月上旬、国連幹部と駐日アイスランド大使による講演を開催しました。これにより学生たちは、国連の世界的な安全保障問題における役割や、ジェンダー平等の先進国として広く知られるアイスランドの政治・外交上の優先課題について考える機会を得ました。

学生たちは、国連大学学長兼国連事務次長のチリツィ・マルワラ氏と、駐日アイスランド大使のフレイン・パウルソン氏から直接話を聴く機会を得ました。中東での地政学リスクが高まる中での講演となりました。
2026年3月3日、国連のマルワラ氏がTUJを訪れ、国際社会が直面するグローバルな課題と人工知能の役割について講演しました。TUJの国際関係学科・政治学科シニア・レクチャラーのブノワ・ハルディ・シャルトランによる紹介の後、マルワラ氏はテンプル大学への訪問は今回が2度目であると述べ、1991年にフィラデルフィア本校を訪れたことを振り返りました。
同氏は、1945年の第二次世界大戦後に現在の国際秩序が構築されて以来、世界が大きく変化する中で、国連が重大な課題に直面していると説明しました。地政学的緊張の高まりが、領土保全が損なわれることへの懸念を引き起こしていると指摘。そのような状況の中で、平和と安全の維持、人権の促進、開発支援という国連の使命を果たすうえで、その役割はますます重要になっていると強調しました。
講演ではAIに関する研究も紹介され、AIシステムにおける真実性・安全性・正確性の向上の重要性を強調しました。続く質疑応答では、AI産業の急速な発展によるデータセンターの増加や水消費量の拡大など、環境面への懸念について学生から質問が挙がりました。また、中東における緊張の高まりや、アフリカ諸国および途上国への支援における国連の役割についても質問が寄せられました。
アイスランドにおけるジェンダー平等

その2日後の3月5日、アイスランドのパウルソン大使がTUJを訪れ、「Life in Diplomacy: Advancing Equality, Trade, and Global Cooperation」と題した講演を行いました。大使はロシア、中国、米国など各国での豊富な外交経験を披露。また、赴任先が変わるたびに家族とともに国を移ることになるため、新しい環境にスムーズに適応できるよう家族への配慮も欠かせないなど、外交官としての個人的な経験や苦労についても語りました。
パウルソン大使は、アイスランドのジェンダー平等推進への取り組みと、それが長年にわたって国内に深く根付いてきた経緯について詳しく説明しました。同国はこれまで、質の高い保育サービスの補助金制度、各親に6か月(うち6週間を相互に譲渡可能)の育児休業制度、ジェンダークォータ制、そして同一労働同一賃金と取締役会における男女均等を義務付ける強固な法整備など、様々な施策を推進してきました。こうした取り組みにより、アイスランドは2025年の世界経済フォーラム「グローバル・ジェンダーギャップ報告書」でジェンダー平等世界第1位を獲得しています。
大使の講演後、TUJの学生たちはジェンダー平等政策に関する質問を多く寄せたほか、外交官になるための心構えについてもアドバイスを求める声が相次ぎました。
略歴
チリツィ・マルワラ氏は2023年3月に国連大学学長に就任しました。国連大学着任以前には、2018年から2023年までヨハネスブルク大学の副学長兼学長を務めました。また、ウィットウォーターズランド大学の教授や、インペリアル・カレッジ・ロンドンの博士研究員(ポスドク)としても活躍しました。研究分野は人工知能とその工学・経済学・社会科学への応用で、ケンブリッジ大学で博士号を取得。ハーバード・ビジネス・スクールおよびコロンビア・ビジネス・スクールのエグゼクティブ・リーダーシッププログラムも修了しています。
フレイン・パウルソン 氏は2025年から駐日アイスランド大使を務めています。職業外交官として、2009年から2011年に中国、2013年から2017年にロシア、2017年から2021年に米国などで要職を歴任しました。駐日大使として現在は、貿易、持続可能性・ジェンダー平等などの分野における協力推進と二国間関係の強化に取り組んでいます。
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