東京で開催された日印高等教育フォーラムにおいて、大学のトップリーダーらとともにパネルディスカッションに登壇するテンプル大学ジャパンキャンパス(TUJ)のマシュー・ウィルソン学長。

TUJのマシュー・ウィルソン学長(中央)が、7月1日東京で開催された国際フォーラムにて、各大学のトップリーダーらによるパネルディスカッションに登壇。

  • TUJ、インドのジンダル大学との連携を強化。昨年に続き2回目となる特別サマープログラムを実施
  • ウィルソンTUJ学長、AIと高等教育に関する国際フォーラムに日本国内の主要大学のリーダーらとともに登壇
  • ウィルソン学長は、次世代リーダーの育成のためには「AI知性」「真の知性」「グローバル知性」「実践知性」の教育が大学に求められると強調

テンプル大学ジャパンキャンパス(東京都世田谷区、学長:マシュー・ウィルソン、以下TUJ)は、この夏、インドのO.P.ジンダルグローバル大学(O.P. Jindal Global University、以下ジンダル大学)との連携をさらに強化しました。TUJ京都にジンダル大学の約40名の学生を迎え入れ、特別サマープログラムを実施しました。

今回の学生の受け入れは、インド有数の私立大学であるジンダル大学向けにTUJが実施するカスタム型サマープログラムとしては2回目となります。プログラムでは、日本におけるアジアビジネスをテーマに、教室での学びに加え、文化体験や学術交流を組み合わせた多面的な学習機会を提供しました。

プログラムの一環として、TUJのマシュー・ウィルソン学長は6月24日、ジンダル大学の創設バイスチャンセラー(Founding Vice Chancellor)C・ラージ・クマール氏、元ハワイ州最高裁判事のマイケル・ウィルソン氏とともに、「Kyoto Colloquium Distinguished Lecture(京都コロキアム著名人講演)」を主導しました。

「Universities as Custodians of Universal Values: Building a More Connected and Compassionate World(普遍的価値の守護者としての大学: よりつながりがあり、より思いやりのある世界を築くために)」をテーマに、パネリストたちは、相互につながりを深める世界において、大学が研究や批判的思考、倫理的リーダーシップ、問題解決力、国境を越えた交流、実践的スキルを通じて、学生をどのように育成していくべきかについて議論を交わしました。

政府・学術界のトップリーダーらと共に国際フォーラムへ

今回の連携は、7月1日にJWマリオット・ホテル東京で開催された国際フォーラム「Shaping Universities of the Future in the Era of Human and Artificial Intelligence(人間と人工知能の時代における未来の大学の形)」をもって、一つの集大成を迎えました。同フォーラムには、日本、インドをはじめ、各国から政治家や教育関係者、学生らが集まり、AIが高等教育や社会にもたらす変革について知見を共有しました。

当日は、鳩山由紀夫元内閣総理大臣、衛藤征士郎元衆議院副議長、インドの国会議員シャシ・タルール氏をはじめ、日本、インド、米国の高等教育界を代表するリーダーらが登壇しました。

ウィルソン学長は、ジンダル大学、東京大学、早稲田大学、国際基督教大学、武蔵大学、上智大学の学長・幹部らとともに、パネルディスカッションに登壇しました。

四つの知性

パネルディスカッションでは、モデレーターを務めたクマール氏から、AI時代における大学の学術的誠実性の維持についての質問が投げかけられました。これに対しウィルソン学長は、教育における「人間的要素」は依然として不可欠であり、学生が実践的スキルを身に付けるうえで重要な役割を果たすと強調しました。

ウィルソン学長は京都での特別サマープログラムで学生たちに紹介した概念を紹介し、人工知能が教育や学びのあり方を変え続ける一方で、これからは「異なる複数のI(Intelligence=知性)」から成る「知性の多元主義」の時代になると説明しました。その知性とは、人工知能(AI:Artificial Intelligence)、真の知性(RI:Real Intelligence)、グローバル知性(GI:Global Intelligence)、そして実践知性(PI:Practical Intelligence)です。

RI(真の知性)については、学生がAIによって生成された情報を批判的に評価し、検証する力を身に付ける必要があると述べました。「大学の役割は、単に情報を伝えることではなく、情報を生み出し、学生が真実を見極める手助けをすることです」と語り、大学は知性の形成はもちろん、研究リテラシー、真実を見抜く力といった重要な能力の育成に重点を置く必要があると付け加えました。

また、GI(グローバル知性)については、ジンダル大学の学生や学術関係者を含む数百人の聴衆を前に、大学は国境を越えた交渉力や問題解決力、効果的なコミュニケーション力を教える必要があると説明。TUJのような大学は、AIの活用だけにとどまらず、世界を多角的な視点から捉え、理解する力を養う教育を提供できると述べました。

最後にウィルソン学長は、大学はテクノロジーで代替できない問題解決力、判断力、創造性、倫理的思考力を育むPI(実践知性)の教育に力を注ぐ必要があると強調しました。そのためには、教育方法のスキル開発を促し、学生の学びを評価するためのより良い方法を確立することが重要であり、筆記試験だけに依存した従来の評価方法では、不十分だと指摘。「教育者として私たちが直面している課題は、学生の皆さんが学び、成長し、問題を解決する力を身に付けられるような教育手法を構築し、実践していくことです」と締めくくりました。

イベントの最後に、ウィルソン学長はTUJの特別サマープログラムを修了したジンダル大学の学生38名に修了証を授与し、インドを代表する名門大学との学術連携がさらに深まっていることを印象付けました。

グローバルな連携の広がり

TUJは2024年、ジンダル大学と提携を結び、2025年6月から7月にかけて、同大学学生向けの初のカスタム型サマープログラムを実施しました。同プログラムでは、戦後の日本の経済発展の背景にあるアジアの経済的・政治的変遷と、それらの戦略が現在の日本のビジネスや経営、政策環境にどのような影響を与えているかを学びます。TUJは、ジンダル大学の学生が日本の社会経済を多角的に理解するとともに、アジア域内の文化や国民性の違いへの理解を深められるよう、カリキュラムを設計しました。

TUJはジンダル大学に加え、インドのタパール工科大学、メキシコのアナワック・マヤブ大学との連携も進めています。日本国内では、明治大学、昭和女子大学、武蔵大学と提携しているほか、2024年11月には、京都の龍谷大学と覚書を締結しました。学生交流や施設の共同利用、文化活動など、幅広い教育連携を展開しています。


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