TUJ学長マシュー・ウィルソン(左から2人目)が、2025年9月18日に日本外国特派員協会で開催されたパネルディスカッションにて発言。

テンプル大学ジャパンキャンパス(東京都世田谷区/以下TUJ)のマシュー・ウィルソン学長は、2025年9月18日、東京都・丸の内の日本外国特派員協会(FCCJ)で開催されたパネルディスカッション「The Role of Educating Future Journalists Based in Japan(日本を拠点とする未来のジャーナリスト育成の役割)」に登壇しました。

ウィルソン学長は、ロイター、ブルームバーグ、ガーディアン、エコノミストといった世界的な報道機関で仕事をしてきたジャーナリストらと共にディスカッションに参加しました。また、TUJ特任教授であり、ロイターやナイト・リッダーで豊富な記者経験を持つ現FCCJ会長のダン・スローンも加わりました。

今回のディスカッションでは、次世代ジャーナリストの育成に関する幅広いテーマが取り上げられました。特に、急速にメディア環境を変化させている人工知能(AI)がもたらす課題について議論が行われました。パネリストたちは、新しいテクノロジーがメディアに影響を与える中での、メディア・リテラシーの強化とデューデリジェンスの重要性を強調しました。

ウィルソン学長は、次世代教育において重要な4つの柱として、AI(人工知能)に加え、RI(Real Intelligence=真の知識)、GI(Global Intelligence=グローバルな知識)、PI(Practical Intelligence=実践的知識)を掲げていると説明しました。最初にRIの重要性を説明し、事実や情報の抽出・検証・確認方法を学生に教える必要性を説きました。現在のAIツールは誤った引用をしたり不正確な情報を生成する可能性があるため、情報源の確認と真実性の検証が不可欠だと指摘しました。

その具体例として、学生にAIを使ってレポートなどを書かせ、その後に全ての文をファクトチェックさせる課題を与える方法を紹介しました。TUJでは、現代社会におけるAIの重要性を踏まえ、学生にAIを効果的かつ倫理的に活用する方法を指導しています。さらにウィルソン学長は、インターネット時代の相互接続された世界において、国際的な感覚と視野に基づくGI、そして分析的思考力、コミュニケーション力、調査報道力といったPIが、強いジャーナリズムとTUJの教育の基盤になると述べました。

「AI、RI、GI、PIのいずれにおいても、私たちは教育者やジャーナリストとして重要な役割を担っており、これらの分野で専門性を磨いていく必要があります」とウィルソン学長は語りました。

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パネル登壇者(FCCJウェブサイトより):

  • Matthew J. Wilson, Dean, Temple University, Japan Campus.
  • Dan Sloan, Adjunct Professor at Temple University, Japan Campus; Reuters and Knight-Ridder veteran; graduate of Columbia Graduate School of Journalism and the University of Virginia; and current FCCJ president.
  • Isabel Reynolds, Bureau Chief, Bloomberg, Japan; and former FCCJ president.
  • David McNeill, professor at Sacred Heart, Tokyo; editor for Asia-Pacific Journal; reporter for “The Economist” (2012-20) and “The Independent” (2001-12); and member of the FCCJ Professional Activities Committee.
  • Justin McCurry, panel moderator, is Japan and Korea correspondent for the “Guardian” and editor for the FCCJ’s flagship magazine, “Number 1 Shimbun.” He is also a published author.

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