「 Haiku for Peace 」イベント後の記念撮影。TUJと昭和女子大学の学生・教職員。前列左から3番目はTUJで教鞭をとるセルギー・コルスンスキー、左から4番目は俳人の黛まどか氏。

テンプル大学ジャパンキャンパス(東京都世田谷区/学長:マシュー・ウィルソン、以下TUJ) と昭和女子大学(学長:金尾朗 ) の学生たちが、TUJ特別招聘教授兼 特別顧問学長補佐のセルギー・コルスンスキーとともに、17音節の詩である俳句を通じて平和について考える特別なイベントに参加しました。

昭和女子大学日本語日本文学科とTUJ日本語学科の共催でほぼ毎年開催されるこの交流イベントは、今年は11月1日に昭和女子大学で行われ、両大学から計26名の学生が参加しました。句会を指導したのは、昭和女子大学日本語日本文学科客員教授であり著名な俳人の黛まどか氏です。 TUJの学生は日本語ライティング中級クラスのTUJ日本語学科の山口麻子准教授の指導下で、俳句を作りました。学生たちは自分で作った俳句を発表し、黛氏や昭和女子大学の教授から講評を受けました。今年のテーマは「Haiku for Peace」で、俳句を通じて平和について考えを深める機会となりました。

TUJと昭和女子大学による合同俳句ワークショップは2022年に始まり、今回で4回目の開催となりました。 TUJの学生の多くは日本語を母語としないため、俳句を作ることは日本の美意識や文化に触れる貴重な機会となっています。黛氏は、2022年のロシア・ウクライナ戦争の勃発をきっかけに、俳句を通じて世界中の人々の平和を願う「Haiku for Peace」の活動を始めました。俳句を異なる文化をつなぐ対話と共感の橋渡し役としています。

軍事紛争が続く中で

黛氏は、イスラエル・パレスチナ間で続く暴力やガザの人道危機を含め、世界各地で軍事紛争が続いていることに深い懸念を表明。それでも彼女は、俳句を通じて平和への意識と思索を促す活動を続けています。黛氏によると、こうした取り組みは俳句を作ることを通じて平和について考える機会を人々に提供するといいます。黛氏がコルスンスキーと初めて出会ったのは、彼が駐日ウクライナ特命全権大使を務めていたときでした。当時、二人はハリコフの地下防空壕で句を詠んだウクライナの詩人ヴラジスラバ・シモノバ氏の俳句集の制作で協力しました。

コルスンスキーは、黛氏が3年前にウクライナ大使館を訪れた際に、彼女の「Haiku for Peace」プロジェクトについて知ったことを振り返りました。シモノバ氏について語る中で、「彼女はロシアの攻撃下にある東部の都市ハリコフの地下室で6カ月間を過ごし、俳句を書き続けました。私たちは二人とも彼女の不屈の精神に深く感動しました。彼女が耐えたストレスは想像を絶するものでしたが、それでも書き続け、その俳句は本当に美しいものでした。私たちは彼女のプロジェクトを支援し、約1年かけて、俳句をロシア語から日本語と英語に翻訳して出版しました。私はすでに俳句に馴染みがありました。ウクライナでは日本文化が高く評価されているからです。しかし、俳句をロシア語から日本語に翻訳する際に、その真髄を保ちながら翻訳することがいかに困難かを実感しました」と述べました。

俳句は素晴らしい芸術

コルスンスキーは日本を「世界で最も平和を愛する国のひとつ」と表現し、「平和と調和への願いをどこでも感じることができる」と述べました。また、俳句などの芸術は「戦争の悲惨な現実に人々が耐える助けとなる手段のひとつだ」と付け加えました。

「俳句は素晴らしい芸術です」と彼は続け、「このようにシンプルな構造の中に、これほど深い思想を表現することができるのです。今日ここにいる学生の皆さんと同様に、全員を称えたいと思います。それぞれの俳句に込められた努力と真心を感じることができます」と語りました。

コルスンスキーは学生たちに作品を磨き続け、「俳句をより完璧に近づけるよう努力する」ことを奨励しました。そして困難な時代における創造性と文化の重要性について次のように振り返りました。「文化は戦争を生き抜く力を人々に与えます。それは私たちを個人として特徴づけるものであり、同時に私たちを一つに結びつけるものでもあるのです」


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